- 田内 志文
- 2010-05-24 (月)
- 小説
8、
空を飛びながら、暁の獣はなんだか楽しくてたまらないような気持ちになっていました。「俺のヴァイオリンが楽しみだとさ、こいつはいい」口に出してそう言うと、大声で笑いながらぐるぐると宙返りします。とてもいい気分です。明日も、もしかしたらあの女の子はヴァイオリンを楽しみにしてくれているかもしれません。暁の獣は、大きくて乱暴そうな自分の姿が、なんだかすこしだけ恥ずかしくなりました。
そして次の日も、獣はレントンの街にやって来ました。教会のほうへゆっくりと降りて行きながらあの窓を見てみると、今日もカーテンは開いています。ですが、昨日のように細くではなく、今日は大きく開いています。
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