子供の頃、文字を綴るのは仕事ではありませんでした。
なにを書いても良い、と言われた時の喜び。
野山を駆けたり、側溝に潜ったり、木に登ったりするのと同じで、
それは鉛筆を握ることから始まる表現という遊戯でした。
いつのまにかぼくらは大人になっていました。
望んで歩んできた道なのでしょう。
文字や言葉で仕事をしています。
でも、その結果、綴ることの意味合いがすこし変わってしまったのかもしれません。
初版は何千部だろう? 売れるだろうか?
売れないとしたら、それはなにが原因なのだろう?
ここ数年は不況が進み、
作家も出版社も生き残りに懸命です。
売れるのか売れないのか、
まさにそこが問われるようになってきました。
もちろんこれは当然のことです。
出版社のお金で本を出す以上、その会社に損害を与えてしまってはプロとはいえません。
ですが、この考えが、文字を綴ることをずいぶんと窮屈にしているのは事実です。
本来、詩や物語を書いて一日を過ごすのは、
さまざまな束縛からの解放であり、
贅沢に自由を謳歌する行為そのものだったはずです。
人は感じるため、遊ぶために、文字を綴ってきたのです。
ネット上で作品を公開すること。
これはぼくらにとって冒険であるとともに、久々の遊戯だとも言えます。
無料です。だれもが読めます。
また、いつでも書き直せるという作業上の特色があるため、
日によって物語が変わっていく可能性もあります。
そんな遊びを、これからウエブ同人誌「e-literature」はやっていきます。
日々の鮮やかさを取り戻すために、
まずぼくらが文字で遊ぶのです。
皆さんもぜひ、くつろいだり、笑ったり、はらはらしたりするために
このサイトに遊びにいらしてください。
明川哲也
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